橘・学生会館【たまプラーザ3号館】の食事は「青森農場での米作り」から始まります。ここでの米作りは、化学肥料・除草剤・農薬を全く使用しません。田んぼの栄養素は、収穫後に自分の田んぼに残る「稲わら・モミガラ」などの植物性のものだけ。動物性有機肥料には、抗生物質等の不安があるので一切使用しません。
一般農法の米作りに関わる期間は約50日です。これと比較して、青森農場の三上さんは270日の日数を要します。「朝に夕に星を仰ぎながらの農作業」で私たちを支えてくれるのは、三上新一・百合子さんご夫婦です。田植えの後も、除草機をかけた後に残った雑草を一本一本手で抜きます。
頑なでひたむきな努力が実を結び、青森農場のお米はこれまでに数々の栄誉に輝いています。
◎1999年 青森県農業大賞を受賞
◎2000年 皇居「新嘗祭・献穀米」に選定
◎2001年 「農林水産大臣賞/ 環境保全型農業」受賞
◎2007年 青森県・田中稔賞受賞
◎2009年 全国農業コンクールグランプリ受賞
◎2009年 農林水産祭天皇杯受賞
◎2016年 黄綬褒章
※労働時間は一般農法の3倍以上を必要とします。
※一般農法の作業時間は50時間くらいといわれています。
※自然農法の場合、休み月は翌年のための土作り、
田んぼの整備のための準備に追われます。
化学肥料に任せっきりの一般農法と、気候変化に応じた成育管理を求められる自然農法。これらは気象条件が悪くなれば悪くなるほど収穫量に差が出て「臨機応変に対応することが常」の自然農法に軍配が上がります。
ひどい冷害で多くの農作物が大被害を被った1993年・2003年でも、青森農場の稲はたわわに頭を垂れていました。三上新一さんは「稲が冷害に弱いのではなく、一般農法が冷害に弱いのです」と言葉に力を込めます。
2003年秋、冷害報道とは無縁の青森農場の田んぼは、たわわに頭を垂らしている稲でたくさん。一般農園の「緑色」の部分は全く米粒のない「不稔」状態の部分。
自然農法(左)と一般農法(右)の違い。頭を垂れるのは、「実りが豊かな稲穂ゆえ」です。